刑事弁護
刑事弁護
刑事事件の被疑者となって逮捕されたら、初動の接見が最も重要です。一刻の遅れが命取りです。すぐにでも刑事弁護士までご相談ください。
刑事事件で逮捕理由となる犯罪は、非常にさまざまです。
一般には、以下のようなケースが多くみられます。
刑事事件で逮捕されると、以下のような流れで手続きが進みます。
逮捕されると48時間以内に検察官のもとに身柄を送られます。このことを「送検」と言います。ただし微罪の場合には、微罪処分として送検されずに身柄を解放してもらえるケースもあります。
検察官は、被疑者の身柄を受けとると勾留か必要かどうかを判断します。必要と判断したら裁判所に勾留請求を行い、勾留決定を得て引きつづき警察の留置場で身柄拘束を続けます(身柄事件)。
勾留が不要と判断すればそのまま釈放します。もっとも、逮捕は強制捜査であることからして微罪でない限りは原則、勾留されると考えた方が良いでしょう。ですから初動が最も大事です。そして弁解録取書で弁解を述べる際、刑事弁護士と相談できないと不利な自白を迫られることがあり冤罪のおそれを引き起こします。なお釈放されても犯罪の疑いがある限り、被疑者在宅のまま捜査を継続します(在宅事件)が、この方が被疑者は会社にも出勤でき解雇のおそれを減らすことができ、また在宅捜査は半年以上の捜査期間があることすらあり、刑事弁護人と定期的に弁護の打ち合わせをする必要があるといえるでしょう。残念なことに日本ではアメリカや韓国と違い、取調べに弁護士は原則同席できないうえ録音録画も行われないことから不利益な状況となりがちです。
勾留した場合には勾留期間が原則10日となり、その間取り調べが行われます。10日で捜査が終了しない場合、勾留延長をして最大20日間まで捜査を継続します。最近は、20日間は捜査機関が逮捕する「持ち時間」と考える見解もあり、勾留率も大きくは下がっておらず地域によりばらつきがあるのが実情です。不当な人質司法から身柄を解放させ釈放を勝ち取るためには準抗告や勾留取消し、これがダメであっても起訴後に保釈請求を行うことが重要です。(保釈には一定の保釈保証金が必要です。)
在宅捜査となった場合には、被疑者が在宅のまま捜査が進められます。その場合、特に期間制限はありませんが、捜査の終局場面で検察官が被疑者を検察庁に呼び出し、検事調べを実施します。ただし検事も警察の手先と考えるのが妥当でしょう。警察の捜査の指揮権は検察にあるといっても過言ではありません。ですから違法な捜査をした警察に対して、検察なら公益の代表者として「大岡裁き」が期待できるなどとおかしなことは考えない方が妥当です。
身柄捜査で勾留が満期になったときや在宅捜査で捜査が終了すると、検察官が起訴か不起訴かを決定します。不起訴は実質、無罪と同じと考えて構いません。不起訴を勝ち取るためにもアグレッシブな刑事弁護人の捜査弁護が必要となります。不起訴は有罪の裁判を受けていないため前科にならないのです。
起訴されると刑事裁判となり、被告人は裁判官によって「有罪か無罪か」「有罪だった場合の刑罰」を決定されます。
不起訴になったらそのまま釈放されて、その犯罪事実によって追及されることはなくなります。
刑事事件で有罪になると、たとえ罰金や科料などの軽い刑罰で済んだとしても「前科」がつきます。解釈によりあらそいがありますが逮捕歴があると、アメリカ、イギリス、オーストラリア、イスラエルなどでは、ノービザでの入国ができなくなるといわれており、大使館でビザを申請する必要性がある場合があります。しかし、不起訴や略式罰金命令の場合と有期懲役の場合とではビザが出やすいかどうかも変わってきます。特にビジネスマンにとってアメリカ入国が制限されることは大きなハンデといえます。
前科は一般には閲覧することのできない記録ですが、検察庁のデータベースに本人が死亡するまで一生残ります。また警察も閲覧でき警らと称して家庭訪問や職務質問を受けやすくなる可能性がないとはいえません。現実にある警察官から聴いた話しでは、各警察署で危険人物リストを作成していたという話しもあり、その真偽はさておきいろいろ不愉快に思わなければならないことも生活上増えます。
また前科があることが噂になってしまったら会社や学校、地域のコミュニティ内にもいづらくなりますし、ときにはメディア報道されてしまうケースもあります。特に医師、公務員、教師、経営者、歯医者などの民間の資格者や公的地位にある官僚などは実名報道されやすいといえます。こうした場合は記者クラブに実名報道をしないよう働きかける必要があります。一般的には、身柄勾留中は、「実名報道」の可能性が高くなるので釈放を急ぐ必要があります。また、50歳未満のそれなりの社会的地位にある方は実名報道をされる確率がなぜか高い印象を持ちます。一例を挙げると痴漢・盗撮で逮捕された最高裁判所の事務官も年齢が上の事務官は実名報道されず下の事務官は実名報道がなされました。いったん実名報道をされると最近は、「逮捕された〇〇容疑者の年収は?家族は?住所は?」といったくだらないプライバシーを侵害するサイトがすぐに立ちます。これらに警告を出すことも刑事弁護人の重要な仕事といえるでしょう(私選の場合、別の弁護士費用の料金がかかる場合あり。)。
次に何らかの犯罪の疑いをかけられたときには「前科照会」をして調べられてしまうので、常習犯として罪が重くなったりしますし、気分的も良いものではありません。なんにせよ前科がある場合は色眼鏡でみられてしまいます。李下に冠を正さずの生活を余儀なくされ、かなり息苦しい生活といえるでしょう。
日本の刑事事件ではいったん起訴されると有罪率が99,9%以上になってしまいましが、国選弁護人と弁護方針が合わないのであれば私選の刑事弁護士に相談するべきです。0.1パーセントの望みをかける場合もありますし、捜査の違法が指摘されることで名誉の失墜をカバーでき自分なりではありますが納得感を得られる場合があります。逮捕されたら起訴そのものを避ける必要があります。つまり不起訴処分を獲得すべきです。無罪とさして変わらないからです。
逮捕されたとき、身柄拘束期間が長くなればなるほど被疑者の立場は危うくなってきます。
会社員の方なら、出勤できないので会社から問い詰められたり解雇の危険性が発生したりします。昔は逮捕されただけで懲戒処分というのは「私生活上の懲戒」として問題となりませんでしたが現在では私生活上のことでも懲戒処分の対象となることが主流で労働法にも明るい刑事弁護士が必要な場合があります。学生でも学校に行けなくなったり逮捕がバレて退学問題になったりするでしょう。特にカウンセラー的役割として学生の場合、私選弁護人が重要な場合もあります。
早期に身柄を解放してもらうには、勾留を阻止するか早期に不起訴処分を獲得することが重要です。
勾留を阻止するには、逮捕直後から弁護人がついて検察官と交渉をすることなどが必要となります。アメリカでは司法取引があり検事も弁護士の接触を歓迎してくれますが、日本では原則司法取引は組織犯罪を除いてありません。ですが検事と制度はなくても粘り強く示談の材料や減軽、不起訴の材料を引き出し弁護活動をする必要があります。不起訴を獲得するためにも、やはり早期に弁護人がついて罪体についてのディフェンスをして不利な証拠を法律の範囲でとられないようにすることと、被害者との示談を成立させる必要などがあります。
いったん勾留されたら原則20日勾留と考えて良いでしょう。元ジャニーズグループメンバーと元女優の大麻事件ですら20日間も身柄拘束されています。また保釈の許可はすぐには出ないことから実際は20日以上の身柄拘束になることもあります。かように最低でも勾留されてしまうと10日間は身柄拘束が続きますし、延長されてさらに10日間勾留され続けるケースも多々あるので、早めに釈放してもらいたいなら逮捕直後から適正な捜査活動と弁護活動を対立させる必要があるので、刑事弁護士に相談してください。
刑事事件では、被害者との示談が非常に重要です。示談が成立して被害弁償を行うと、被疑者にとって非常に良い事情となり、さまざまな点で有利に斟酌してもらえるからです。起訴前に示談できれば不起訴にしてもらえる可能性が高まりますし、起訴後でも判決で罰金や執行猶予などの軽い処分にしてもらいやすくなります。
ただし被疑者やご家族が示談を進めようとしても、ほとんど不可能です。被害者は被疑者に強い怒りを抱いており示談を受け入れないことが多いですし、そもそも被疑者側は被害者の連絡先を知らないケースも多々あります。
弁護士が検察官から「被疑者には告げない」という条件で被害者の連絡先を伺い、被害者へ丁重に礼儀正しく連絡を入れてまずは謝罪を行い、ようやく示談交渉を進めることが可能となります。
弁護士が被害者と示談を進めると、示談金の金額的にも妥当な取り決めができますし、被害者によって嘆願書を書いてもらうよう尽力します。
このように、被害者のいる犯罪では早期に弁護人を選任して示談交渉を進める必要性が極めて高くなっています。
刑事事件には「冤罪」もあります。実際には罪を犯していないのに、被疑者として逮捕されたり被告人として起訴されてしまったりするのです。「冤罪」は体感的には多いのではないかというのがプライベートオピニオンです。例えば自分のやっていない余罪を押し付けられるとか、故意が争点の場合に虚偽自白を強いられるなどです。特に、逮捕・勾留されると、すべては、警察に「支配」されてしまいます。そして家族とも会えず24時間牢屋の中という人が多いのです。鉄格子の中にいるわけです。そこに「人間らしさ」はないといえるでしょう。
人身の自由が奪われ寂しさも募り思考も著しく低下することでしょう。そういう追い詰められた中、警察官に親切にされると、やってないことまで供述してしまう、過去の冤罪の多くはこうしたことも背景にあるのではないかと個人的に考えています。したがって、被疑者には黙秘をする権利をしっかり行使するようにサポートすることも大事でしょう。弁護人がアメリカで「カウンセラー」や「リプリゼンター」と呼ばれるのは、牢獄に入り自らの主張ができない被疑者本人に「代わり」代弁人を務めるのでリプリゼンターといわれ、また相談相手になることからカウンセラーといわれるのです。
冤罪の場合、きちんと対応せずに放置しておくと本当に有罪判決が出てしまい、大変な不利益を負う結果となります。逮捕直後から否認を貫き、虚偽の自白などの不利な調書をとられないようにすることが極めて重要です。
ただ否認事件では取り調べも厳しくなりがちですし、共犯関係を疑われていれば接見禁止処分がついて家族でも面会を許されなくなる例が多々あります。
弁護人であれば、接見禁止処分がついていても自由に時間制限なく被疑者と接見できますし、違法な取り調べがあれば抗議してやめさせることも可能です。 弁護人が接見して励ますことにより、厳しい取り調べに耐える気力を得られる被疑者の方も多く存在します。
本人が否認している場合、逮捕直後に弁護士までご相談ください。
19歳以下の未成年が逮捕されたときには、一般の成人の刑事事件とは異なる対応を要求されます。少年審判という保護的な措置がとられるためです。
少年事件でも、弁護士が「付添人」として少年の味方となり、有利な審判が出るようにさまざまなサポートを行うことが可能です。
少年事件で身柄拘束期間が長引くと退学や失職のおそれが発生しますし、少年院に行かねばならない不利益も発生します。大切なお子様が逮捕されたら、お早めに弁護士にご相談ください。特に、逮捕・勾留された場合、警察の拘置施設に入れられると、ショックが大きいこどももいるかもしれません。そういうときはカウンセラー的に頻回に接見する必要もあります。また、少年は誤導されやすいので虚偽自白をしないようにサポートにいく弁護活動が有益です。
当事務所の弁護士は窃盗、詐欺などの共謀共同正犯で逮捕勾留された少年を初動から弁護し、最終的には検察限りで事件を終わりにして、家裁送致をさえぎったこともあります。もちろん無罪ばかりとれませんし魔法はありません。地道な接見で事件を事実上つぶして立件できなくしてしまい無罪に近い形ということもあるのです。
名古屋ヒラソル法律事務所では、刑事事件において、スピーディに活動すること(時間)、被疑者やご家族へ「安心」を与えること、有利な処分を獲得するための適切な活動(スキルとノウハウ)を重要と考えます。逮捕されたら、今すぐにお問い合わせ下さい。なお、当事務所は「元検事」の弁護人としての活動はありません。私たちはむしろ在野のスピリッツで民間の力の刑事弁護をするべきと考えています。すなわち元検事に多くの市民がなびくのは検事たちと事実上の司法取引ができると期待するからです。しかし、現在は退官した元検事に対する特別扱いはほとんどないといわれています。むしろこれまでの権力側の発想が邪魔をして在野の弁護士からみて、まともな弁護活動になっていないと評価せざるを得ない場合もないとまではいえないでしょう。頼りがいがあると考えれば元検事の事務所もいいでしょう。しかし、基本的には、証拠が弱いゆえ不起訴や略式罰金命令になったりしますし、示談交渉も市井の弁護士の方がしやすいといえるでしょう。もちろん最近は犯罪に対する応報意識が高まり示談は難しくなっていますがそれでも挑戦はするべきではないかと思うのです。日産自動車をめぐる特別背任事件でも最終的に選ばれたのは、民間プロパー弁護士でした。神通力に期待しても、風がふくときもあればそうでないときもあり、むしろ否定的にとられる見解がいまは主流ではないでしょうか。いずれにせよ重要なのは初動の捜査弁護が重要であるということです。
少年事件の定義を教えてください。
20歳未満の人が、家庭裁判所で審判を受ける場合の事件を、一般に「少年事件」言います。
子供が逮捕された場合、親が弁護士をつけることはできますか?
法律で、少年の法定代理人である親が、弁護士を弁護人として選ぶことは認められています。
少年事件で処分が下りた場合、前科になりますか?
保護処分の場合前科にはなりませんが、刑事裁判を受け有罪判決になった場合は前科として残ることになります。