債権回収
債権回収
企業が順調に利益を出していくため、債権回収は非常に重要です。未回収の債権が大量に発生していては経営が圧迫されますし、企業が成長していくことは困難です。
今回は、債権回収の手順や流れを弁護士が解説いたします。
未払いの債権が発生したら、以下のような流れで回収を進めましょう。
まずは、債務者に対して直接支払いの催促をします。入金に1日でも遅れたらすぐに電話をかけ、つながらなかったり話にならなかったりしたら手紙で督促をしましょう。
このとき、「すぐに」対応することが重要です。数日や1週間以上経過すると、相手の方も「少々遅れても督促をされない」と考え始めてその後も滞納を繰り返されるようになるケースがあります。
電話や手紙では相手が対応しない場合、内容証明郵便を使って支払いの督促状を送りましょう。
内容証明郵便を利用すると、相手に対して強いプレッシャーを与えることができるので、支払いに応じる可能性も高くなります。請求書には「期限内に支払わない場合には、訴訟を起こす可能性があります」と付記しておくと良いでしょう。
内容証明郵便を送り、相手が請求通りに期限内に全額支払えば問題はありませんが、金額や入金の期限などの条件についていろいろと主張してくるケースがあります。その場合には相手と支払方法について交渉を行います。
話し合いの結果合意ができたら「合意書」を作成し、その内容に従って入金を受けます。その後きちんと期限内に入金されたかどうか確認することも重要です。
支払い方法が分割払いになるケースなど、将来きちんと入金されるかどうか不安な場合には、合意書に強制力をつけておく必要があります。そのためには、公証役場で公正証書を作成したり、裁判所で」「即決和解」という手続きを利用したりして、相手が不払いを起こしたときにすぐに差押えをできるように対処しておきましょう。
内容証明郵便を送っても応答がない場合や話し合っても解決できない場合には、裁判手続きを利用しましょう。
まず考えられるのは「支払督促」です。支払督促を利用すると、期限内に相手が異議を述べない場合、相手の財産を強制執行することが可能となります。申立方法も簡単で債権額に上限もありません。
1つ1つの債権が少額で請求金額が60万円以下の場合、少額訴訟を利用する方法も効果的です。少額訴訟は通常の訴訟とは異なり、証拠の調べ方や審理が簡略化されており、1日で判決まで出してもらうことができます。
弁護士をつけなくても取り組みやすいですし、裁判官や司法委員の関与によって和解が成立するケースも多々あります。
判決が確定すれば強制執行力があるので、相手が支払わない場合に資産を差し押さえることも可能です。
請求金額が大きい場合や支払督促・少額訴訟で異議を出された場合などには、通常訴訟によって債権回収をするしかありません。
通常訴訟では厳格な主張と立正を要求されるので、債権の発生原因と支払時期が到来していることを、証拠によって証明する必要があります。きちんと主張立証できないと敗訴してしまうので注意が必要です。
有利な判決を得るためには弁護士に依頼する必要があるでしょう。
以上のように、債権回収方法にはいろいろな手法があり、ケースによって適切な手法を選択する必要があります。
たとえば債権額によっても選択すべき方法が異なりますし、相手の態度や相手に弁護士がついているのかどうかによっても判断が変わってきます。
たとえば債権が少額で本人が対応しているなら少額訴訟を試してみるのも1つの手ですが、相手が激しく争っていて金額も大きいのであれば、始めから通常訴訟をした方が良いケースもあります。
弁護士にご相談いただけましたら、こうしたさまざまな債権回収の方法の中から御社にもっとも適した手法を提案させていただきます。
債権回収をするときには、スピーディな対応が命です。時機を逸すると相手が支払いに応じなくなることもありますし、相手の経営状態などが悪化して支払能力が失われるケースもあります。また債権には時効があるので、時効が成立する前に回収してしまう必要性が高いです。
弁護士が対応すると、即時に対応してもっとも効果的な方法を選択して回収を行うので、早く確実に債権回収できます。
債権回収を弁護士に預けてしまえば、企業の従業員や役員、経営者などが自ら回収に携わる必要がありません。本業とは異なる債権回収をする手間が省けて本来の経営に専念できます。
経営者や担当者が直接相手に請求の連絡を入れるよりも、弁護士が内容証明郵便で請求した方が相手に与えるプレッシャーが強くなり、支払いを受けやすくなる例が多いです。
少額の債権がたくさんある場合など、1件1件を個別に依頼すると弁護士費用が高額になってしまうのではないか、と心配される方もおられるでしょう。
そのような場合、顧問契約を締結して一括で債権回収を委託していただけますと、料金を大幅に割り引かせていただくことも可能です。
当事務所は、名古屋の中小企業を支援する法律事務所です。未回収の債権を専門的なノウハウをもって効果的に回収いたしますので、是非とも一度、ご相談下さい。
債権回収の時効とはどのようなものですか?
事業者の債権は、請求しないでいると原則5年で消滅時効となります。
時効を止めるためにはどうすればいいですか?
裁判所での手続きをふみ請求を行う、時効の中断という制度を利用する必要があります。
取引先に信用不安がある場合、何をすればよいですか?
まず債権額の減少、次に支払条件を前払いする取引条件の変更などのリスク軽減策が挙げられます。
勝訴判決後、債権を回収できない場合はどうすればよいですか?
生命保険協会に対して弁護士会照会をし、財産調査を行うという手段があります。